2020年08月28日

いと、お菓子!2020 7月

7月のご案内

 梅雨明けが待ち遠しいですが、その後に本格的な暑さが訪れるのが「水無月」。涼しい風が吹くのを待つので「風待月」、蝉が盛んに鳴く頃なので「蝉羽月」、但しこれは、蝉羽衣からで、薄物の着物を着る月との意味だとか。梅雨時期の温かい南風を「温風」、暖房器具の表示みたいですが、夏の季語です。この風には色があるようで、最初は黒南風、中頃は荒南風、終わり頃は白南風。風が白く感じたら梅雨明けです。
第4回の講座をご案内いたします。

はりはら塾

水まんじゅう
練り切り体験「朝の花」

葛粉は、クズの根から製造した澱粉です。各種デンプンのうち、もっとも良質とされています。吉野(奈良県)の国栖(くず)で生産されるものが有名で、吉野葛と呼ばれます。他に、福岡県の筑前(ちくぜん)葛、三重県の伊勢(いせ)葛、福井県の若狭(わかさ)葛も有名で、クズの語自体、国栖に由来するとも説かれます。
 秋の終わりから初春にかけて発芽前に根を掘り起こし、よく水洗いして平石の上で砕く。これをザルに入れて水槽の中でかき混ぜ、デンプンを洗い出す。デンプン液は、細かい繊維などを除くため、さらに布袋に入れて漉す。静置するとデンプンが沈殿するので、上澄み液を捨て、デンプンが純白になるまで水さらしを繰り返す。十分さらしたデンプンの水分を除き、適当な大きさに砕いて乾燥する。葛粉が不ぞろいの塊状をしているのは、このためです。生産には手間がかかり生産量が少なく高価なため、市販の葛粉と称するものは、他の澱粉を混合してあることもあり、価格もピンキリです。
葛粉を少量の水で溶き、これに熱湯を加えた葛湯は、病人や小児の栄養食として昔から重用されていて、漢方のかぜ薬である葛根湯(かっこんとう)も主成分はこの葛根です。菓子では、葛桜、葛まんじゅう、葛切り、葛ちまきなどの原料として用いられている。透明感のある生地は見るからに涼しげで、ひんやりつるんとした口当たりが楽しめます。
水まんじゅうと呼ぶその由来は、涼しそうなフォルムとくずのデンプンで餡を包んで水に冷やすという所から来たものです。現在の水まんじゅうは、明治30年ころに菓子屋の上田屋文七が水につけておいても流れないわらび粉を、適量くずデンプンに混ぜて水まんじゅうを作ったのが始まりとされ。岐阜県の大垣市を代表する夏の風物詩です。クズ菓子は、水の質が良い和菓子どころであるこの地では、江戸末期から葛菓子が庶民に親しまれていたのです。
今回は、黒糖味を効かせた葛生地で、白餡を包み込みます。

いと、お菓子!2020 7月


緑化大学


お題「小暑」 朝顔・石清水(鹿の子)

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